魚市場ではどんな人が働いているかご存じでしょうか?
魚市場に行ったことがない人にとってはまさに「未知の世界」ですよね。
ここでは市場で働く人や仕事に対する思い、市場の施設などをご紹介します。
鹿児島市中央卸売市場魚類市場で働く人たちは、「開設者」、「卸売業者」、「仲卸業者」、「買出人」、「関連事業者」に分けることができます。
「買出人」はさらに「売買参加者」と「一般買出人」に分けることができます。
ちなみに、施設管理といった市場の運営を行う「開設者」は、鹿児島市になります。
まず、「卸売業者」は、漁師などから委託された魚をせり売・相対取引の販売方法で、仲卸業者・売買参加者に販売します。
「仲卸業者」は卸業者から買い受けた魚を市場内の仲卸店舗で売買参加者や買出人に直接販売したり、他市場などへの転送販売をしたりしています。市場の中でも最も“目利き”が集まっているといえるかもしれません。
そして、買出人のうち「売買参加者」は卸売業者が行うセリに参加できる、一般消費者へ小売をしているスーパーや加工業者などの大口需要者を指します。
一般買出人はセリ権がないため直接セリに参加はできませんが、場内の仲卸業者の店舗で直接購入することができます。この中には個人の飲食店の方なども含まれますので、ひょっとしたらあなたが行きつけのお店の大将も、一般買出人かもしれませんね。
このように、ひと口に「魚類市場」といってもその仕事や役割はさまざまですが、共通するのは「漁師さんが釣り上げた新鮮な魚を安全に食卓に届けたい」という思いです。
では漁獲された魚は市場でどのように扱われるのでしょうか。
鹿児島市魚類市場では、魚を船から直接、外部からの侵入物(車の排気ガス、ゴミや火山灰)が入りにくい高床式のセリ場に水揚げします。
そして厳密な温度管理がなされた密閉式のコールドチェーン(※)のセリ場でセリを行い、仲卸業者の店舗を通じて各地の小売店へと届けています。
このように、それぞれの業者がそれぞれの持ち場で、長年積み重ねた経験や知識をもとにその日獲れた新鮮な魚をその日のうちに、皆さんのもとへと安全に届けるべく、品質管理や衛生管理に細心の注意を払って働いています。
鹿児島を取り囲む豊かな海で、春夏秋冬に獲れる、多様な魚たち。漁場と消費地がとても近く、首都圏では考えられないほど新鮮な魚が当たり前のように食べられます。
私たち魚類市場で働く仲間たちは、鹿児島の「当たり前」の魚食を支え続けていけるよう、これからも力を合わせていきます。
※コールドチェーン:低温管理の必要な製品を冷蔵や冷凍の状態で最終消費地まで届けること。
- 開設者 -
卸売市場法、業務条例、施行規則等に基づいて、市場を開設し、施設の維持管理及び業務の認可等を行うとともに、取引が公正に行われるよう指導監督を行います。
- 卸売業者 -
卸売業者は、農林水産大臣の許可を受けて、出荷者から販売委託又は買付により集荷した品物を、仲卸業者及び売買参加者に卸売します。
- 仲卸業者 -
仲卸業者は、開設者の許可を受けて、卸売業者から買受けた品物を分荷調製して、市場内の仲卸店舗で売買参加者や買出人に販売又は他の市場等へ転送販売する業者で、専門的技能経験をもって品物を評価し、市場における価格形成に重要な役割を果たしています。
- 売買参加者 -
生鮮食料品の小売業者、加工業者及び大口需要者のうち、開設者の承認を受けて仲卸業者と同様に卸売業者から直接卸売を受けることができる者で、市場外の店舗で主として一般消費者へ小売する業者をいいます。
- 関連事業者 -
開設者の許可を受けて市場機能を補完するため又は市場を利用する人達の便益を図るため、市場内の店舗その他の施設において営業をしている者で関連食品、雑貨販売、冷蔵庫業、飲食業などを営む業者をいいます。
- 買出人 -
仲卸業者から生鮮食料品を買受け、市場外の店舗で主として一般消費者へ小売する業者で、売買参加者でない小売業者及び飲食店業者等をいいます。